「寝る間も惜しんで仕事がしたい」
そんな風に思うことがある。
自分の知識が増えている実感があるとき、時間をかけるほどに良い仕事ができると感じるとき、そんな風に思う。
事実僕は、勤務先の設計事務所に関することを勤務時間外に行うことがあるし、個人的に抱えている仕事を夜遅くまですることもある。
けれども僕は全く嫌じゃない。なぜなら僕にとってそれらの仕事は、「やりたいこと」でしかないからだ。
僕がそんな風に思えるのは、僕がマルチワーカーであると同時に、ミニマリズムを実践しているからだと思う。
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ミニマリズムとは何か
ミニマリズムを実践しているとは言っても、僕はモノを減らすことに対してそれほど熱心じゃない。
僕が減らそうとしているのは「マスト(must)事項」だ。やらなくてはならないことを、減らそうとしている。
ところで、ミニマリズムという言葉の意味するところを、あなたは知っているだろうか。
所有物をバックパック一個分に抑え?
洋服は黒いパンツと白いシャツで統一?
家具はもちろん無印良品?
それは半分正解で、半分間違っている。
なぜならそれらは、ミニマリズムの表れ方の一つでしかないからだ。ミニマリズムはもっと、広い意味で使われる言葉なんだ。
僕らはthe minimalists(ザ・ミニマリスツ)という二人組をとてもリスペクトしている。
彼らは「TheMinimalists.com」というwebサイトで、ミニマリズムに関するエッセイを書いている。僕らの知る限り、彼らはミニマリズムのパイオニア的な存在だ。
和訳された彼らのエッセイ集から、ミニマリズムの定義を以下に引用する。
ミニマリズムとは、幸せと満足感と自由を見つけ出す目的で、人生において本当に大切なものだけにフォーカスするために、不必要な過剰物を取り除くためのツールである。
上の引用にあるように、モノを減らす(=過剰物を取り除く)ことはミニマリズムの目的ではないし、そもそも減らすべくはモノであるとは限らない。
マルチワーカーである僕は幸せな働き方をする目的で、ミニマリズムを実践している。
ミニマムにするのはモノではなく、「マスト(must)事項」だ。やらなくてはならないことを、減らそうとしている。
「マスト事項」をミニマムにして、「やりたいこと」を足していく
僕は週に4日設計事務所に勤めている。
「使用人との対話」によって、出勤するという「マスト事項」をミニマムにしている状態だ。
参考リンク:マルチワーカーとは誰か
けれども最初に書いた通り、勤務時間外にも事務所の仕事に関することをする場合はあるし、そもそも僕は個人的に抱えている仕事もあるから完全なオフといえる日はもう長いこと迎えていない。
それでも僕は忙しさを感じないし、今の状態に対して不満を感じることはない。
参考リンク:何があなたをそこまで忙しくさせるのか
なぜなら勤務時間外にしている仕事は、僕にとって「マスト事項」ではないからだ。
「マスト事項」でない仕事は、言ってしまえば「やりたいこと」でしかない。
また個人的に抱えている仕事にしても、僕にとっては「マスト事項」というより「やりたいこと」に近い。
お金を頂戴している以上厳密には「マスト事項」なんだけど、設計事務所での勤務で「最低限の収入」は確保しているから、それらの仕事をしなくても生活は成り立つ。
参考リンク:自分の人生を編集するためのお金の講義
僕が個人的に仕事をしている理由は、それが「やりたいこと」だからだ。
僕は「マスト事項」としての仕事をミニマムにして、「やりたいこと」としての仕事を足している。
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「やるべきこと」に追われていないか?
「マスト事項」と「やるべきこと」の境目が曖昧だと、きっと苦しい。
「やるべきこと」なんて、いくらでもある。
朝は少しでも早く会社に行くべきだし、メールは早々に返すべきだ。
一つ一つの仕事は少しでも早く終わらせるべきだし、可能な限り高いレベルの仕事をしたほうがいい。
先輩より早く帰路につくべきではないし、会社の飲み会には積極的に参加するほうが賢明だろう。
やりたくないことも笑顔で引き受け意欲を見せるべきだし、みんなと同じように週に5日は会社に拘束されるべきだ。
無数にある「やるべきこと」の中から、本当の「マスト事項」を見極めよう。
たくさんの「やるべきこと」に追われていては、あなたの人生はあっという間に終わってしまう。
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「仕事がとにかく忙しいから、いっそ辞めてしまいたい。」
そんな話を聞くと、僕は悲しい気持ちになる。
なぜ「仕事を辞める」なのか。
なぜ「仕事を減らす」という選択肢が、僕らには用意されていないのか。
「仕事を減らす」ことで、仕事はおそらく趣味になる。そんな働き方があってもいいと思う。
「マスト事項」をミニマムにして、「やりたいこと」を足していこう。
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