複数の収入源を持つことや、業務に関わる要件についての対話を重視すること。
そう、マルチワーカーにとって「複業」の指すものは、いくつものプロジェクトに参画していくスタイルのことでもありそうです。
勤務先や取引先などの枠にとらわれず多くのパートナーとプロジェクトを進めていく過程には、目に見えないよろこびが生まれます。
社内プロジェクトや有志のコミュニティ活動にも通じる、マルチワークスの仕事付き合いについてお話します。
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マルチワークはプロジェクトベース
マルチワーク(複業)のメリットについてはこれまで何度かお話ししてきました。
収入源、雇用先を多角化させることによる有事の際のリスクヘッジや、組織にとらわれない横断的なキャリアアップについては先の記事に詳しく記載しています。
参考リンク:マルチワーカーとは誰か
また、雇用元にとっても繁忙期 / 閑散期に合わせて人員の調整ができる点において、「複業採用」が経営的な利点を与えてくれることは今回言及すべき点ではありません。
その時代ごとに、また人生のタイミングに合わせて雇われ方、請け負い方を変化させながら、自らにとって「都合の良い」仕事をつくっていく。
多くの場合、このマルチワーカーのスタイルは「いくつものプロジェクトに参画する」というものでもあります。
その時々で適切なパートナーと共につくりあげていく仕事のなかには、期間のちがいこそあれ「プロジェクト」というカタチで進めていくものが多々あります。
そんな働き方を実践していくなかで、実は上記に挙げたほかにもー極めて精神的な部分でー大きなメリットを感じる瞬間があります。
それは、「おなじ志を持ったパートナーと一緒に働く」というよろこびです。
これには、一般的な会社的組織における仕事の生まれ方と比べて根本的なちがいが存在するからだと考えられます。
つまりどういうことなのか?
それについてお話する前に、一度あなたの職場の状況を想像してください。
(フリーランスしか経験のない方は、文字通り「想像」してみてください)
あなたの同僚、上司、そのほか職場のメンバーは、すべてあなたが望んだ人員でしょうか?
上司は選べない
私が新卒で入社した企業は非常にスタッフのモチベーションが高く、執行部を含め上司のみなさんもみな尊敬できる方々でした。
だからこそ、直属の上長は戒めのようにいつもこう話していました。
「上司は選べないのだから、このやり方に従ってくれ」
一見すると関白な物言いですが、実際は業務の進め方についてそれほど何かを強要されていたわけではありません。
ただ、この言葉の響きを私は印象深く憶えています。
これは上司のみならず、同僚や部下についてもおなじことが言えそうです。
あなたが社内で大きな権力を持っていなければ、多くの場合周りのメンバーはあなたの希望で集まったわけではありません。
一般的には、一緒に働く人を選べないのがふつうです。
おなじ方向を見ている?
「会社は不思議な組織だ。『じぶんに関係ある人たちがなにかしてる』場所だから。」
以前、糸井重里さんが『ほぼ日』トップページのコラムで書いていました。
スクランブル交差点でも、映画館でも、レストランでも、遊園地でも、そこで活動する人たちのほとんどは「じぶんに関係ない人たち」です。
ところが、会社はちがう。
そこに集まる人たちは、たとえ何万人という大きな組織でお互いの存在をほとんど認識していなくても、すべて「じぶんに関係ある人たち」なのです。
なぜなら、おなじ会社に勤めている以上、目指すゴールや(行き着くところがないのが大概ですが)、掲げるミッションは等しいはずだからです。
ただ、それが実感しにくいのが会社という組織かもしれません。
社員が多ければ多いほど、事業部が増えれば増えるほど、お互いに何をしているのかが見えにくくなります。
「じぶんに関係ある人たち」なのに、「なにかしている(らしい)」という互いの認識。
その結果、モチベーションや優先度、気配りの仕方など、仕事に対する意向が異なる場合があります。
上司や同僚とウマが合わず、苦労した経験はありませんか?
それは「じぶんに関係ある人たち」のはずなのに、ゴールやミッションの認識がちがう、たがいに異なる方向を向いてしまっている状態であるからだと思います。
ミッションありきのマルチワーク
プロジェクトベースで仕事が生まれるときには、まずミッションが確立します。
◯◯を成し遂げたい。
◯◯のような社会をつくる。
今回生み出したいのは◯◯のような状態だ。
まずこうした目的が決定、共有され、そこから仕事が生まれます。
いきなり業務だけが降ってくることは稀です。
ときに対話を通じて、ときに別の仕事から生じて…
こうしたミッションをベースに生み出される仕事に対しては、メンバー全体が建設的なアプローチをすることができます。
最適なパートナーと一緒に働くときには、前項のような「ウマの合わない」状態が生まれにくいような気がしています。
業務の基幹となる思考がマッチしているので、その部分について認識の相違が生じにくいからです。
ミッションを共有するパートナーとの仕事には大きなやりがいを感じます。
こうした相手との仕事ほど、たのしいものはありません。
私は、こうして生まれたプロジェクトを進めていく上で、「一緒にやれてよかった」というよろこびを感じることがあります。
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プロジェクトあれこれ
このようにして生まれるプロジェクトには、本当にさまざまなパターンがあります。
取材のできるライターと、スナップ中心のカメラマンによって、人びとの営みをメインに取り上げる対談のメディアが生まれました。
着付けのプロと、日本酒のマニアによって、浴衣で日本酒を楽しむ会が企画されました。
木造建築のプロと、地域コーディネーターによって、古民家再生の体験ワークショップが開催されました。
カルチャースクールと、Webデザイナー、クラフトマンによって、手しごと品をネット上で販売するまでを学ぶ主婦向け講座が開かれます。
参考リンク:個人が仕事をつくる際の「相方学」
これらは私が見てきたものの一部です。
どれにも共通しているのは「ミッションがメンバー全体で共有されている」点です。
まずはじめに目的が一致していれば、仕事のなかでもモノがカタチになるまで非常にたのしい時間を過ごすことができます。
誰と、どのように働くか
よく言われていることですが、問題は「何をして働くか(What we work)」ではないと改めて思います。
「誰と働くか(Who we work with)」、「どのように働くか(How we work)」がより重要なのではないでしょうか。
私たちマルチワークスも、この観点を非常に大切にしています。
木津(@ayumukizu)は住宅や店舗の設計、グラフィックのデザインなどができます。
高島(@seiyatakashima)は、執筆・編集、ワークショップなど人の集まる場のコーディネートなどができます。
いつか、あなたと一緒に働ける日を楽しみにしています。
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