新卒ライターになれなかったぼくが物書きを仕事にするまで

 

好きなことを、仕事にしたい。
やりたいことで、食べていきたい。
趣味を極めて、生きていきたい。

じぶんのやりたいことでお金をもらうのは大変だろうか。
いや、ぼくたちはそうは思わない。
趣味で食べていくことは、決して難しくはないのだ。

ぼくは大学生の頃、ライターという仕事に就きたかった。
シューカツ時代にそれは結局叶わなかった。だが、今では物書きという仕事を自らの複業のひとつに数えている。
新卒ライターにはなれなかったぼくが、物書きを仕事にするまでの話をしよう。

 

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「シューカツ」でライターを目指す難しさ。

 

「ライターになりたい」
そう思ったきっかけは非常に安直なものだった。
大学3年生の冬、ぼくは就職活動の最中。
エントリーシートなる人生初めての文章を、当時好きだった女の子に褒められたのが原因だ。
素直なぼくは無邪気に喜ぶ。そこへ彼女の「ライターみたいな仕事も良いんじゃない?」のひと言。
ますます図に乗ったぼくは、新卒ライターの道を探すことにしたのだった。

実際、文章を書いたり読んだりすることは好きだった。
毎日お気に入りに登録したWebマガジンを読むことを日課としていたし、学生時代に1,000冊以上の本も読んだ。
ブログも書いていたし、文章修行として好みのライターの書いた文章を「写経」と称して書き写す趣味まであった(これは今でも続いていてる)。
ライターになる、そんなことを夢見た瞬間だったんだ。

ただ、その道は予想以上に厳しいものだった。
大手の新卒就職支援サイトでは、新卒ライターの枠なんてほとんどない。
「ライター 求人」で一般枠を探してみるも、未経験者不可の条件が並んでいた。新卒枠がないはずである。
当時、まだ学生で社会の仕組みがよくわからなかったぼくは、この時「新卒でライターという職業に就くのは無理だ」と結論付けることにした。

 

 

誰でも書ける物書きの需要。

 

それからややあって地方に移住することを決めた。
「限りなく都会に近いローカル」茨城県稲敷市で地域おこし協力隊としてまちづくり活動に携わることになる。
その一環として、地域情報の発信サイトを立ち上げた。
ブログ形式で、稲敷市外へこのエリアの情報を提供するためだ。
半分仕事で、もう半分は趣味のような気持ちで続けていた。
やっぱり、文章を書くのは好きだったんだ。

稲敷市外へ向けたこのブログだが、以外にも身近の人たちからのウケがよかった。
「いつも読んでるよ」と声をかけてくれる人たち。その言葉が嬉しくて、また記事を書く。
そうしているうちに、こんな話を持ちかけられるようになる。
「ウチで文章を書いてもらえないか?」

今はオウンドメディア(自社所有の媒体)の時代だ。
現在進めている仕事の話、業界のウラ話、社員の話、周辺地域の話…
今は誰もがPCやスマートフォンを持っているので、こうした話題をコンテンツとして提供することで、消費者とつながることができる時代だ。
ハイコストの広告を打つより、ニッチなブログを書くほうがかえって効果が出る場合もある。

そんなわけで、さまざまな業態の方たちから「おかかえライター」の話をいただいた。
ただ、ぼくはまちづくりの仕事をメインに据えており、一社にかかりきりでコンテンツを制作するのが厳しい状態でもあった。
この時はすべてお断りをしていたのだが、ここでひとつ気がついた。
「もしかして、茨城県稲敷市のご当地ライターにはなれるのでは?」

 

 

地方ライターは足りてない。

 

ご当地ライターになろう。そう思った。
さいわい、地域おこし協力隊として活動していればネタなんていくらでも湧いてくる。
しかも、地域情報ブログを書いていたので、相手にもやりたいことが説明しやすかった。

そんなこんなで今も続けさせていただいているのが株式会社オウチーノ様のWebマガジン『オウチーノ de ヨムーノ』の連載である。
暮らしの総合情報マガジンとして、街の情報、住まいとお金の関わり、雑学など、幅広い情報が日々更新されている面白いサイトだ。
ここでは、茨城県稲敷市で地域おこし協力隊として働くぼくの、仕事や暮らしのありのままを面白おかしく紹介している。
また、ぼくの他にも地方ライターが多数記事を執筆しているのでぜひ読んでみてほしい。

この連載を通じて、地方ライターというもののニーズをつかむことができた。
『オウチーノ de ヨムーノ』だけではない。
他にもさまざまな「地域情報を広めたいサイト」でWebライターの需要は確認できる。
そして、ぼくはいくつかのWebサイトでライターとして収入をいただくようになった。

そう、あの頃は一度諦めた物書きというものを、ぼくは今仕事にしているのだ。

 

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複業としてのライター。

 

ぼくは今、新卒でなれなかったライターという職業に就くことができている。
ただ、ひとつ注意しておきたい点がある。
「ぼくは専業ライターではない」ということだ。

ぼくは日々、茨城県稲敷市でまちづくりの仕事をしている。
この収入なくして、毎日ごはんを食べたり、雨風の防げる家に住むことはできない。
ただ、この仕事に1日の時間をすべて取られることもない。
日が暮れる前に家に帰ることもできるし、休日は完全に確保されている。有休・代休もバッチリだ。
その他の時間に、ぼくはライターの仕事をしている。

いまではこのライターの仕事も大事な収入源になってきている。
また、何より好きなことをしているので、非常に精神衛生上よろしい。
この「物を書いて、より多くの人に情報を伝える」ということをひとつの使命とも思っている。つまり、心からやりがいを感じているのだ。

好きを仕事にするのは簡単だ。
その他の仕事も含めて、包括的に収入を考えればいい。
マルチワークとは、そういうものなのだ。

これを読んで、誰もが納得してもらえるわけではないとは思う。
ただ、これだけは考えてほしい。
限られた人生の時間を、あなたは何に遣いますか?
ぼくは、仕事でさえも有意義な時間の遣い方をしたい。
いや、仕事だからこそ、もったいない働き方をしてムダにしたくないのだ。

新卒ライターになれなかったぼくは、兼業ライターとしていま非常に幸せな時間を過ごしている。

 

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